この記事ではHyper-Vでライブマイグレーションが失敗してしまう場合のトラブルシューティングについての備忘録です。いろいろなトラブルがあるので都度追記をしていく予定です。
ライブマイグレーションが何かというのはこの記事では割愛します。ローカルストレージを使用している場合、共有ストレージを利用している場合など様々な環境があるかと思いますが一助となれば幸いです。(僕は共有ストレージではない環境を使用しています)
切り分けリスト
宛先ホストにpingはできるか? | できない場合は宛先ホストを調査 |
FWルールは正常か | FWで6600ポートが開いているか確認 |
マイグレーションに使うネットワークは正常か | Hyper-V Managerを確認 |
宛先・送信元ホストの双方で名前解決ができるか | ADのDNSを確認 |
WinRMが正しく動作しているか | WinRMの動作確認 |
ライブマイグレーションの高度な機能が正しく設定されているか | 高度な機能を確認 |
過去に同じホスト名でAD参加させていないか | ADから該当ホストを削除・AD再参加 |
ハードウェア起因でないか | お互いのホストのHW構成を確認 |
宛先ホストにpingできない場合
宛先ホストの状態を調査します。正常であればICMPが許可されていないだけだと思うので特にICMPを使用しないのであればそのままで構いません。
FWルールを確認する
Hyper-V ManagerかHyper-Vインストール時にライブマイグレーションを有効にすると6600番ポートが開きます。開いていない場合はライブマイグレーションができませんので開けておきます。
WinRMも利用するのでWindows リモート管理 (5985/TCP)が開いているかも確認します。
マイグレーションで使用するIPアドレス範囲を確認
ライブマイグレーションで使用するIPアドレス範囲が双方のホストに付与されているか確認します。
宛先・送信元ホストの名前解決を確認
ADのDNSで宛先と送信元ホストのAレコードが正しく登録されているか確認します。
WinRMの動作確認
WinRMがサービスとして実行中であることを確認します。また、前述の5985ポートも開いているか確認しておきます。
高度な機能を確認
認証プロトコルやパフォーマンスオプションが環境に適しているものであるか確認します。
Kerberos認証を使用している場合は制約付き委任を設定する必要があります
ADの再参加
過去に同じホスト名でAD参加させたコンピューターがある場合、過去のコンピューターと認識されてしまい失敗することがあります。この場合はADから該当ホストのデータを削除して、該当ホストをADからWORKGROUPに戻し、再度参加させる必要があります。
ハードウェア構成の確認
AMDとintelの違い、世代の違いなどでライブマイグレーションが失敗することがあります。この場合はVMを停止させてみてマイグレーションできるかどうか確認できます。出来る場合はハードウェア構成が原因なのでVMを停止してマイグレーションします。
追記があると思いますが一旦以上です。ライブマイグレーションの設定はハマるとかなり時間を使います、、、安定した機能なだけにうまく導入したいと思います。