少人数チームで開発を行っていた自分はScrumチームやったことないので、ScrumチームやScrum開発についてまとめていこうと思います。僕自身の似たような経験があれば追記していきたいという感じです。
Scrumとは何か?
Scrumとは、複雑な製品開発を効率的に進めるためのフレームワークです。特にソフトウェア開発でよく使われていますが、様々な分野で活用されています。
Scrumの特徴は「反復的・漸進的」なアプローチです。大きな仕事を小さな塊(スプリント)に分け、定期的に成果物を確認しながら進めていきます。
Scrumチームの構成メンバー
Scrumチームは通常、3つの役割で構成されています:
1. プロダクトオーナー(Product Owner)
- チームが「何を」作るかを決める人
- プロダクトバックログ(やるべきことリスト)の管理者
- ビジネス価値の最大化に責任を持つ
- 顧客やステークホルダーの声を代弁する人
一時期リーダーをしていた経験があるのでチームが何を作るかを決める・Todoタスクとスケジュールの管理者っぽいことはしていました。ビジネス価値に責任を持つまではいかないですが、顧客の意見から課題を見つけたり改善案を考案したり、ビジネスサイドのメンバーと話したりはしていた記憶はあります
ということで開発リーダーに似たポジションなのかなと思いました。
2. スクラムマスター(Scrum Master)
- Scrumがうまく機能するよう支援する人
- チームの障害を取り除く「サーバントリーダー」
- Scrumのルールを守るよう促す人
- チームの生産性と幸福度を高める役割
技術力があるベテランポジションでしょうかね、、、技術力や経験は生産性と幸福度を高めますもんね
問題がある箇所の解決法を非効率的なものしか知らないリーダーとメンバーに対してベテランが効率的な解決法を提案してくれるとかそういう感じであればとてもそういう経験はしてきましたね。。。
3. 開発チーム(Development Team)
- 実際に製品を作る3〜9人程度の専門家グループ
- 自己組織化されたチーム(誰がどの作業をするか自分たちで決める)
- 多機能なチーム(様々なスキルを持ったメンバーで構成)
- プロダクトバックログアイテムを「完成」の定義に従って届ける
メンバー個々に細かいタスクをアサインするのではなくてある程度塊の大きなタスクを与えていたとは思うので、そのタスクを細分化していたりとメンバー個々に自己組織化していたのかなあとは思いました。その時のチームメンバーに感謝。
というわけでscrumのルールは知らないものの近い形のチーム運営をしていた気がしてました。
Scrumの主なイベント
Scrumでは、以下の5つの公式イベントがあります:
1. スプリントプランニング(Sprint Planning)
- スプリント(通常2〜4週間の開発期間)の始めに行う
- 「このスプリントで何をするか」「どのように達成するか」を計画
- プロダクトバックログから次に取り組むアイテムを選択
- 時間:スプリント期間の約5%(2週間なら最大8時間)
これはやったことはないですね。。。四半期に一回は開発案件のMTGをやっていたのでそれをもっと細かく分けている感じですかね
2. デイリースクラム(Daily Scrum)
- 毎日同じ時間・場所で15分間立ったまま行う短いミーティング
- 「昨日何をしたか」「今日何をするか」「障害はあるか」を共有
- 開発チームのための同期と計画の場(他の人は聞き手に)
これのイメージに一番近いのは毎朝のMTGですね。。。まさにほぼこの内容でやってました
3. スプリントレビュー(Sprint Review)
- スプリント終了時に、完成した成果物をデモする場
- ステークホルダーからフィードバックを得る機会
- 「完成」したものだけを見せる
- 時間:スプリント期間の約5%(2週間なら最大4時間)
以前は四半期に一回成果目標があってステークホルダーからのフィードバックやデモはプロジェクトごとに行っていたのでちょっと新鮮な体験になるかもです
4. スプリントレトロスペクティブ(Sprint Retrospective)
- スプリント終了後に、チームのプロセス改善について話し合う
- 「うまくいったこと」「改善点」「次のスプリントでの行動」を議論
- 時間:スプリント期間の約3%(2週間なら最大3時間)
成果物を作るまでの過程を考え出して改善をしあうってことですね、、、確かにこういうレビューはやっていなくてデイリーでやったり気づいたらその場でやっていたと思うので、このような時間は必要かもですね
5. スプリント
- 実際の開発期間(1〜4週間の一定期間)
- この期間中に、計画・開発・レビュー・改善のサイクルを回す
- 一貫した長さで繰り返す
Scrumの成功のポイント
透明性
- 全員が同じ情報を共有
- 進捗状況を可視化(よくタスクボードを使用)
- 問題点をオープンに議論
毎朝のMTGでガントチャートにタスクを入れて管理していたので比較的透明性に関しては問題なくついていけそうですね
検査
- 定期的に成果物とプロセスを確認
- 予測と実績の差異を早期発見
適応
- 問題があれば、すぐに調整
- 常に改善を続ける姿勢
適応と検査があんまりわからなかったのでsonnetに例えてもらった
料理の例え
検査: 調理中に味見をすること。塩が足りないか、火の通り具合はどうかを確認する。
適応の例: 味見の結果、塩を追加したり、火加減を調整したりする。
想像してみてください。レシピ通りに材料を全て入れて、一度も味見せずに料理を完成させようとする人がいたら?最終的な味は運任せになってしまいます。これが「ウォーターフォール開発」です。対して、何度も味見して調整しながら料理を進める人は、より確実においしい料理を完成させられるでしょう。これが「アジャイル開発」です。
旅の例え
検査: 旅の途中で地図とGPSを確認し、予定通りの道を進んでいるか、目的地への最短ルートはどこかを確認する。
適応: 渋滞や道路工事を発見したら、ルートを変更する。思いがけない観光スポットを見つけたら、立ち寄りを決める。
最初に決めた計画に固執して渋滞の中を進み続けるよりも、状況に応じて柔軟にルートを変更する方が効率的で楽しい旅になります。スクラム開発も同様です。
初心者がScrumを始める際のアドバイス
- 用語に慣れる – Scrumには独自の言葉がたくさんあります。少しずつ覚えていきましょう。
- 失敗を恐れない – Scrumは「inspect and adapt(検査と適応)」が基本。うまくいかなければ次のスプリントで改善すればOK。
- コミュニケーションを大切に – Scrumの成功は良好なチームコミュニケーションから生まれます。
- 自己組織化を尊重 – マネージャーが細かく指示するのではなく、チームが自ら考えて動くことを重視します。
- 小さく始める – 全てのプラクティスを一度に導入せず、少しずつ取り入れていくのも良い方法です。
そもそもなぜスクラム開発?
背景知識などをよく知らなかったのでsonnetさんと一緒に調べてみました。
従来の開発手法との比較
ウォーターフォールモデル
伝統的なウォーターフォールモデルでは、要件定義→設計→実装→テスト→リリースという段階を順番に進めていきます。
ウォーターフォールの課題:
- 最初に完全な計画を立てることが困難
- 途中での変更に弱い(変更コストが高い)
- 成果物が見えるまでに時間がかかる
- 顧客フィードバックの取り込みが遅い
V字モデル
ウォーターフォールを改良したV字モデルでは、開発の各段階に対応するテスト段階を設け、品質を高める工夫がされています。
V字モデルの課題:
- やはり変更への対応に時間とコストがかかる
- プロジェクトの初期段階で全ての要件を固める必要がある
Scrumを含むアジャイル開発
アジャイル開発では、小さな機能単位で開発とフィードバックのサイクルを繰り返します。Scrumはアジャイル開発の実践方法の一つです。
Scrumの強み:
- 早期から動く製品が提供できる
- 顧客フィードバックを定期的に取り入れられる
- 変化に対応しやすい
- チームの自律性と責任感が高まる
Scrumが選ばれる具体的な理由
1. 市場投入までの時間短縮(Time to Market)
Scrumの反復的アプローチにより、最小限の機能を持つ製品(MVP: Minimum Viable Product)を早期にリリースし、市場での検証が可能になります。多くの企業にとって、完璧な製品を遅く出すよりも、基本機能を早く出して改良していく方が競争優位につながります。
2. リスク管理の改善
大きなプロジェクトを小さなスプリントに分割することで、問題点を早期に発見できます。また、定期的な成果物の確認により、プロジェクトが間違った方向に進むリスクを低減できます。
3. 顧客満足度の向上
顧客や利用者の声を開発プロセスに組み込むことで、本当に価値のある機能を優先的に開発できます。結果として、顧客のニーズにより合致した製品が生まれやすくなります。
4. チームモチベーションと生産性の向上
Scrumの自己組織化されたチーム構造は、メンバーの自律性と当事者意識を高めます。また、小さな成功体験を積み重ねることでチームの達成感とモチベーションが向上します。
5. 透明性の確保
Scrumのイベントや成果物(プロダクトバックログ、スプリントバックログなど)により、プロジェクトの状態が常に可視化されます。これにより、ステークホルダーとの信頼関係構築や意思決定の質向上につながります。
他のアジャイル手法との比較
カンバン
トヨタ生産方式から派生したカンバンは、作業の流れを可視化し、同時に進行する作業量を制限することで効率化を図ります。
Scrumとの違い:
- カンバンはタイムボックス(期間固定)がない
- 役割の定義が少なく、よりフレキシブル
- 既存のプロセスに徐々に適用できる
使い分け: Scrumは大きな変革を求める新規プロジェクトに、カンバンは継続的な改善を目指す既存プロセスに適していることが多いです。
XP(エクストリームプログラミング)
技術的プラクティスに重点を置いたアジャイル手法です。ペアプログラミング、テスト駆動開発、継続的インテグレーションなどの実践を重視します。
Scrumとの関係: 多くのチームが「ScrumとXPのハイブリッド」を採用しています。Scrumがプロジェクト管理の枠組みを提供し、XPが技術的なプラクティスを補完するという組み合わせです。
Scrumの課題と向き合い方
形骸化のリスク
Scrumのセレモニーは実施しているが本質を理解していない状態に陥るリスクがあります。
対策:
- Scrumの背景にある価値観や原則の理解を深める
- 定期的に「なぜこれをやっているのか」を問い直す
組織文化との不適合
既存の組織文化やマネジメントスタイルと衝突する場合があります。特にコントロール重視の文化では、自己組織化の概念が受け入れられにくいことがあります。
対策:
- 経営層も含めたアジャイル思考の教育
- 小さな成功事例を作り、徐々に拡大する
スケーリングの課題
複数のScrumチームが協働する大規模プロジェクトでは、調整が難しくなります。
対策:
- SAFe(Scaled Agile Framework)やLeSS(Large-Scale Scrum)などのスケーリングフレームワークの活用
- スクラム・オブ・スクラムなどの調整メカニズムの導入
今後のScrumの展望
リモートワークとの融合
COVID-19パンデミック以降、リモートワークが標準となりつつある中、Scrumも進化しています。オンラインツールを活用したバーチャルスクラムボードやリモートでのスクラムイベント実施など、新たなプラクティスが生まれています。
AI/ML活用との相乗効果
AIや機械学習プロジェクトは不確実性が高く、反復的なアプローチが特に有効です。データサイエンスとScrumの融合によるDataOpsやMLOpsといった新たな方法論も注目されています。
ビジネスアジリティへの発展
単なる開発手法を超えて、組織全体のアジリティ(俊敏性)を高める方向へ発展しています。経営層も含めたアジャイル思考の浸透が進んでいます。
まとめ:なぜScrumが選ばれるのか
Scrumが広く採用されている根本的な理由は、現代のビジネス環境の不確実性と変化の速さに対応できる柔軟性を持っているからです。計画重視のアプローチでは対応しきれない複雑な問題に対して、Scrumは「検査と適応」のサイクルを通じて、継続的に価値を提供し続けることができます。
また、Scrumは単なる開発手法にとどまらず、「人間中心」「自己組織化」「透明性」といった価値観を組織にもたらします。これにより、チームメンバーのエンゲージメントが高まり、創造性が発揮される環境が生まれやすくなります。
変化が常態となった現代において、Scrumは単なる一時的なトレンドではなく、組織や個人が複雑な課題に対応するための持続可能なアプローチとして、今後も発展し続けるでしょう。
というわけです。僕もスクラム開発を実際にしてみて気づいたことがあれば記事にしていきます!