前の記事の続きです。
4. DevOpsやSREとの違い
4-1. DevOpsとの関係
DevOpsは「開発(Dev)と運用(Ops)の協業や文化」を指しますが、Platform Engineerはその文化を支えるための基盤構築やツール整備を担うことが多いです。
- DevOps:文化・プロセスの変革が中心
- Platform Engineer:そのために必要なインフラとプラットフォームの構築を担当
DevOpsはパイプライン構築や自動化スクリプト、運用体制の整備などを行うのに対し、プラットフォームエンジニアはそのセルフサービス化などを行います。DevOpsによってCICDパイプラインなどが整備されても、開発者はまず使い方を学ぶ(認知負荷)必要があるため、プラットフォームエンジニアにニーズが生まれていると思われます。
4-2. SREとの比較
SRE(Site Reliability Engineer)は可用性や信頼性を重視し、運用主体の視点からシステム改善を行います。一方、Platform Engineerは開発者が使いやすい基盤を整備する視点が強いとされています。
- SRE:可用性や耐障害性を重視し、運用をコード化する
- Platform Engineer:開発プロセスの効率化にフォーカスし、プラットフォームを最適化する
SREは運用効率や可用性確保などを行うため、顧客は実際にサービスを利用するユーザーとなります。しかしPlatform Engineerは開発効率化など顧客はSREも含めた開発者になると思います。
5. Platform Engineerに必要なスキル
5-1. クラウド関連技術
AWS・Azure・GCPなどの主要クラウドサービスの知識や、クラウドネイティブアーキテクチャの設計スキルが必須。
5-2. コンテナ技術
DockerやKubernetesなどのコンテナオーケストレーションの知識、マイクロサービスアーキテクチャへの理解。
5-3. CI/CDツール
JenkinsやGitHub Actions、GitLab CIなどの自動化パイプライン構築スキルや、Terraform、AnsibleなどIaC(Infrastructure as Code)に関する知識。
5-4. プログラミング言語
プラットフォームを構築・運用するうえで、GoやPython、Shellスクリプトなどを活用するシーンが多い。
バイリンガル(コード + インフラ)のスキルセットが求められる。
5-5. セキュリティ・ネットワークの基礎
基盤を扱うエンジニアとして、ネットワーク構成やセキュリティの基本は必須。アクセス制御や暗号化、脆弱性対策の知識を習得しておく。
5-6. ソフトスキル
組織横断でコミュニケーションをとり、開発部門や運用部門、経営層と調整するためのコミュニケーション能力やプロジェクトマネジメント力。
オンプレミス中心のインフラエンジニアだったので被ることはありますが知らない領域がたくさんあるので(とくにクラウド)ここはしっかり準備しておかないといけないなと思います。
6. 学習・キャリアパス
6-1. インフラエンジニアからのステップアップ
オンプレミスでのサーバ構築やネットワーク管理などの経験を活かし、クラウド環境での運用・構築スキルを追加してPlatform Engineerを目指すパターン。
まさにここが僕になりますね。。。クラウド技術触っておかないといけないですね。。。
6-2. DevOps/SRE領域からの転身
DevOpsやSREとしての経験を活かし、開発者向けのプラットフォームを整備する役割へキャリアを広げるケース。
インフラエンジニアからでも、DevOps/SREからでも、とにかく開発業務効率化に従事したことがあるとかなら、十分その経験を活かせるかなと思いました。
6-3. 学習ロードマップ例
- クラウド基礎(AWS/Azure/GCPの基本サービス習得)
- コンテナ技術(Docker, Kubernetesの基本操作、マイクロサービス概念)
- IaCツール(Terraform, Ansibleなどでの構成管理)
- CI/CD・自動化(Jenkins, GitHub Actionsなどを使ったパイプライン構築)
- 可観測性/監視ツール(Prometheus, Grafana, ELKスタックなど)
- セキュリティ/ネットワーク(クラウドセキュリティやネットワーク構成)
- 実務経験(PoCや社内プロジェクトでの実践で知識を定着)
AIちゃんによるとこのあたりを学習すると良いそうです。これに関連するブログ記事も書いていこうかなと思います。(すでに何個か書いてますが)
7. 今後の展望
- マルチクラウドの普及:一つのクラウドに依存せず、複数のプラットフォームを使いこなす能力が求められる。
- プラットフォームのさらなる抽象化:サーバレスやKubernetes Operatorsなどにより、インフラ管理をより高次に抽象化する技術が進む。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)推進:企業のDXが進む中で、Platform Engineerは組織全体の生産性向上の鍵となる存在に。
8. まとめ
Platform Engineerは、開発者と運用担当者の架け橋として基盤を整備し、開発効率や運用の安定性を高める重要な役割を担います。今後、クラウドやコンテナ技術がますます進化していくなかで、Platform Engineerの需要はより一層高まるでしょう。
これからPlatform Engineerとしてキャリアを築きたい方は、まずはクラウドやコンテナ、CI/CDなどの基盤技術を学び、実際に手を動かしながら経験を積むことが大切です。
Platform Engineer単体でやる会社は結構大きめで、基本的にはSREと兼任や、開発業務と兼任という可能性もあるのかなと思います。兼任の場合は開発しているサービスに関するノウハウは持っていると思いますが、単体でやる場合はまず開発しているサービスに関するノウハウを得て、そこから開発効率化の余地を探したりするのだと思います。まずは事前知識をしっかり得てニーズを手探りで確かめたいと思います。
次のステップ
- クラウド関連資格(AWS Certified Solutions Architect, Azure Administrator, GCP Associate Engineerなど)取得を目指す
- 自宅ラボ環境や無料クラウド枠で小規模なプラットフォームを構築してみる
- DevOps/SREコミュニティに参加し、最新動向や実践事例を収集
以上でAI+初心者でPlatform Engineerについて書いてみました。僕自身わからないことがまだまだあるのでいろんなイベントの資料や書籍・文献などを見て確認しているところです。Platform Engineerに関する記事をどんどん書いていきたいと思います。